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■ 超音波洗浄器に入れる洗浄液は何がいいか?

超音波洗浄器などに使う洗浄液には、超音波洗浄器専用の洗浄液もありますが、かなり高価ですので、他のもので代用しているお店や工房、あるいは個人の方も多いのではないかと思いますが、私も今までにいろんなものを試してみました。

①.通常の宝石用洗浄液
②.中性洗剤
③.うがい薬
④.シャンプー

その他、いろいろと試しましたが、安全性と値段の安さでは中性洗剤が優れていて、使っている人も多いようです。

ただ、中性洗剤の問題は洗浄液が汚れてきて交換するときに、超音波洗浄器の内側の内壁や底面に付着した汚れをブラシでこすって落とすのにかなり手間がかかることでした。

そこで、ある日突然、ひらめいたのが液体ハミガキでした。
口の中に入れて使うものだし、元々歯ブラシで使うものだし、少しのうがいでさっぱりするし、これは使えるんじゃないかと買ってきて試したところ、ドンピシャリ!の大成功でした。
量は水400㏄にキャップ1杯で十分です。
しかも、液体ハミガキの超スグレモノなところは超音波洗浄器を使えば使うほど、超音波洗浄器自体の内面すべても綺麗にしてくれるところで、初めて使った後の最初の洗浄液の交換では、うちの超音波洗浄器ってこんなに綺麗だったかなと驚くぐらい綺麗になってびっくりしました。
もちろん内面の汚れ落としのためのブラッシングもいりません。

ご家庭で使われるんでしたら、ペットボトルのフタなどに半分ぐらい入れて歯ブラシにつけてブラッシングされたらよいと思います。
ただし、洗浄とすすぎのあとのふき取りが一番大切で、宝石の裏についた水滴を綺麗にふき取らないと、水滴が乾いた後が白くにごって、最悪の場合、洗う前より汚くなったりしますので、タオルやハンカチなどで軽くふいたあとで、ティッシュ・ペーパーでコヨリを作って、宝石の裏や横から差し込んで水分を拭き取ると綺麗になります。
あともう一つ、あればカメラのレンズなどに使うブローブラシのブラシをはずしてシュッシュッと空気を吹きかけると完璧です。

洗う場所は流しでも洗面所でもかまいませんが、床に落したりして破損させないように、タオルなどを敷いた上でブラッシングやふき取りをしましょう。
〔洗える宝石と洗えない宝石がありますので、注意しましょう〕


☆*:・°★:*:・°
■ 超音波洗浄器の使い方で宝石店の誠実さがわかる?

宝石店ならどこでも置いている超音波洗浄器は、洗浄液を入れたステンレスの器の内側に、43KHz(キロヘルツ)とか50KHzとかの超音波を発生させて、その微細な振動(波動)によって宝石貴金属・眼鏡などの汚れを落として綺麗にする大変に便利なものです。
しかし、たとえ洗浄液が入っていようと、ブルブル振動しようと、それだけではこびりついた水アカその他の汚れは落ちません。
超音波洗浄器には、洗濯機で言えば、すすぎ程度の効果しかないからです。
大事なことは、指輪やペンダントなどを超音波洗浄器につける前に、どれだけブラッシングするかにかかっています。
ブラッシングだけで汚れを全部落としてしまえるんじゃないかというぐらい時間をかけて丁寧にブラッシングします。
そこまですれば、あとは文字通り、ほんの短い時間、超音波洗浄器にすすぎ代わりにかけるだけで指輪やペンダントはピカピカになります。
皆さんが宝石店を訪れた時に、たとえば、店員さんに「洗浄しましょうか?」と言われて、指輪などを渡された時、よほど汚れが少ない場合をのぞいて、店員さんがブラッシングなしで、受け取った指輪をそのまま超音波洗浄器に入れてしまったら、あまり本気で洗う気はないんだと思って間違いないと思います。たぶんですが…。



《おまけ》

宝石・貴金属などを洗浄する時、ブラッシングに使うブラシは歯ブラシが最適です。
ご家庭なら使い古した歯ブラシで十分でしょう。
次回は洗浄液についてお話します。

☆*:・°★:*:・°

■ マリッジ・リングと万年筆

私どもではパイロット社製のマリッジ・リング、ピトー、ロル、トゥルー・ラブなどのシリーズを取り扱っております。

これらのシリーズはパイロット社が90年以上にわたって培ってきた、折れにくく曲がりにくく錆びにくい、弾力性に富んだK14・K18金製などの万年筆のペン先造りのノウハウが活かされており、たいへん高品質なものになっています。

最初にその高品質を実感したのはパイロット社製のマリッジ・リングをルーペ(拡大鏡)で拡大して見たときです。
たとえば、つくりの悪いガラス製品に比べて、つくりの良いガラス製品は、ガラスの品質そのものにもよりますが、外面的には、表面が平らでなめらかで、光の反射が細やかで綺麗です。
逆に、つくりの悪いガラス製品ほど、拡大して見ると表面が凸凹になっています。
その点、パイロット社製のマリッジ・リングは拡大して見ると、木綿豆腐に対する絹コシ豆腐のように、既製品に比べて、はるかに表面の密度が細やかに仕上げられていて驚きました。

是非、一度、ご覧頂きたいと思います。

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パイロット ピトー



☆.。*:・°★.。*:・°
■ サファイアはダイヤモンドより丈夫!?

宝石の中で、ダイヤモンドの硬度は10で、サファイア・ルビーの硬度は9ですが、
硬度が高ければ割れない、傷つかない、壊れない、という訳ではありません。

針金が曲がって、ガラスの棒が折れるのは、針金が柔らかくて、ガラスが硬いからです。


では何が問題かというと、硬度のほかに、宝石には靭性(ジンセイ)という性質があります。
一言でいうと「粘り強さ」ということで、これに関してはサファイア・ルビー・ヒスイの方がダイヤモンドより上になります。

普段使いするなら、サファイアなどの方がダイヤモンドより丈夫です。
硬いことは砕けやすい、欠けやすいということでもあります。
ダイヤモンドをガラスや陶器等にぶつけないように注意しましょう。

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ダイヤモンド 2.643ct F-VVS2


☆*:・°★:*:・°

■ タンザナイトの多色性

タンザニアで産出されるゾイサイトの中でブルーのものをブルー・ゾイサイトといい、
さらにその中で多色性を持つものをタンザナイトと呼びます。

地の色はサファイアのブルーとは異なり、ブルーの中に少し紫の入ったいわゆる群青色です。

タンザナイトの多色性は、白熱電球などの下では紫色が強くなり、
自然光や蛍光灯の下では青色が強くなります。

キズが少なく透明度があって、輝きの良いものほど高評価です。

多色性を持たないブルー一色のものは、あくまでもブルー・ゾイサイトであって、
タンザナイトに比べて評価が落ちますので注意しましょう。
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左上下:タンザナイト 右上:パライバ・トルマリン 右下:ルビー


☆*:・°★:*:・°
■ ピジョン・ブラッド

ルビーは産出国によって色相が異なります。

鳩の血の色に似ていることから『ピジョン・ブラッド』と呼ばれる美しい赤色の
最高級のルビーはビルマ(ミャンマー)で産出されます。

ビルマの次に産出量の多い国はタイですが、タイのルビーの最高級は『ビーフ・ブラッド(牛の血)』と呼ばれ、
少し暗いめの色調で、『ピジョン・ブラッド』の最高級品には及ばないものの大変美しい逸品も産出されます。

また、スリランカ産のルビーはやや淡いめの明るい赤色で『チェリー・ピンク』と呼ばれています。
そういう訳で『ピジョン・ブラッド』と言うのはビルマ産のルビーにのみあたえられる呼称で
他国産のルビーを『ピジョン・ブラッド』とは呼びませんのでご注意下さい。

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☆*:・°★:*:・°


■ ルビーが赤い理由

美しい赤色宝石の代表であるルビーは、
鉱物学的には酸化アルミニウムの結晶でコランダムという宝石の仲間です。

コランダム自体は純粋であれば無色透明ですが、いろいろな微量成分が含まれることによって七色に変化します。

その中でルビーが赤い色になるのは、コランダムの中に1.89%の酸化クロムが含有されていることによります。
酸化アルミニウムに酸化クロム…なんかイメージ変ですが…。

ちなみに赤色以外の、ルビー以外のコランダムはすべてサファイアと呼ばれます。
ブルーサファイア、イエローサファイア、オレンジサファイア、ヴァイオレットサファイアなどです。
 
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☆*:・°★:*:・°