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■ ピンク・サファイアと色の薄いルビーの違い

みなさんはピンク・サファイアと色の薄いルビーの違いをご存知でしょうか?

宝石学では、コランダムという宝石の中で、赤い色をルビーと呼び、その他の色をサファイアと呼びます。
科学的には、コランダムに酸化クロムが入れば赤くなり、鉄とチタンが入れば青くなります。
それでは実際に、ピンク・サファイアと色の薄いルビーはどこが違うのか?
鑑別基準はどうなっているのか? 国や地域で違いはあるのか?

答えは、違いは何もありません。

ピンク・サファイアと言う言葉には何の根拠もないんです。
ですから、私たちから見ても、「色の濃いピンク・サファイア」があったり、「色の薄いルビー」があったりします。
ピンク・サファイアもルビーも、本来、「色の薄いルビー」 「色の濃いルビー」と呼ぶのが本当で、赤色系のコランダムはすべて、ルビーと呼ぶのが正しいと思います。

ただ、市販でピンク・サファイアと称しているものの中には、赤色だけでなく、少し青色が入って、ほんのり紫がかったものがありますが、この場合はピンク・サファイアではなく、むしろバイオレット・サファイアと呼ぶべきだと思います。

通常、透明度や輝きなどの品質が同じぐらいなら、ピンク・サファイア(ピンク・ルビー?)はルビーに比べると、かなり価格が安くなってますので、濃いめのピンク色や、桜の花びらのような淡い色合いが気に入られたら、とてもお買い得だと思います。

ちなみに、硬度はダイヤモンドが上ですが、宝石のしなやかさ・粘りを表す靭性(じんせい)はルビー、サファイアの方が上ですので、普段使いにはルビー、サファイアの方がダイヤモンドより欠けにくくて丈夫です。

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ピンク・サファイア(ピンク・ルビー)とダイヤモンドの指輪


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■ カラットの語源

Carat(カラット)というのは宝石の重さを量る単位で、1カラットは0.2gになります。

まだ、メートル法などがなかった時代、物の重さを量るのに植物の実を使ったり、長さを計るのに人の歩幅を使ったりしていた頃に、地中海沿岸では、重量の軽い宝石の重さを量るのに「イナゴ豆(キャロブ)」と言う豆を使っていました。

ギリシャ語でキャラティオンと呼ばれる「イナゴ豆(carob)」は、重さがほぼ 0.2gとそろっていましたので、宝石類の重さを量るのに丁度良く、いつ頃からか、宝石の重さを量る単位は「キャラティオン」「キャロブ」を語源とする「カラット = 0.2g」に統一されていました。

ちなみに、電子カラット量りが普及する以前、昭和50年代前半頃までは、宝石の重さを量る時には、片手でぶら下げて使う西ドイツ製の純銀製の小さな天秤のカラット量りを使っていました。
受け皿の直径は一円玉ぐらいで、下は百分の一カラットから上は10カラットまで小さな分銅がたくさん付いていましたが、小さ過ぎて指では扱えず、ピンセットを使っていました。
ピカピカで可愛くて、私も、自分の純銀製の天秤を宝物のように大切にしていました。
下の写真はお店に置いてあるものですが、実は、今でも自分が使っていたものは内緒で家に大切に保管してあります。(^o^)v

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宝石用の純銀製カラット天秤(西ドイツ製)。
新品の時は文字通り銀色に輝いていましたが、古いために変色しています。




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