5月から村上春樹さんの作品と村上さんが翻訳された作品を読んでました。

4ヶ月間で村上さん以外の作品も入れると32冊を読了し、我ながらよく読んだものだと思いまして、読んだ順番に書き出してみました。
すべて文庫本で西暦の年号は作品の発表された年で、☆印は私の個人的な好み、評価です。
※「ハムレット」は福田恒存さんの、以下の3作品は村上春樹さんの翻訳本の発売された年です。

どうして村上春樹さんの作品が何十年も世界で売れ続けているのか?と疑問を持ったのが読んでみようと思ったきっかけでしたが、読み始めたらハマってしまいました。
加えて、村上作品に登場する古いロックやジャズのアーティストや曲名が、私が十代の頃から夢中になっていたそのまんまで、たとえば、テン・イヤーズ・アフターというグループ名を目にした瞬間に「夜明けのない朝」という曲でのアルビン・リーの速弾きのギターが頭の中で鳴り響いたりと、活字を見た瞬間にアルバムジャケットやアーティストの顔やメロディーなどが浮かんで来て本当に懐かしくなりました。

また、これまでに世界の幻想文学やSF小説もたくさん読んで来ましたが、村上さんの作品は、それら世界の名作に比してもまったく引けをとらず、特に「世界の終わり」と「海辺のカフカ」は本当に幻想的で美しくておすすめです。

「ティファニーで朝食を」は映画とはまったく別のストーリーで、それはそれで素晴らしい作品でしたが、オードリー・ヘプバーンの映画を観て感動して以来うん十年、ついに原作を読めると期待してましたので、少し(かなり)がっかりしました。

シェイクスピアの「ハムレット」は名作中の名作で、選び抜かれた言葉と絶妙のストーリー展開、その中にしっかりと表現された深い悲しみに感動しました。
翻訳者の文学的力量がすごいです。
ちなみに、「ハムレット」を読もうと思ったのはジュール・ジョゼフ・ルフェーブルという画家が描いた作品、 「オフィーリア」を見て感動したのがきっかけでした。
ほかの画家の「オフィーリア」はみんな、はっきりとした意思を持っていたり、悲嘆にくれていたり、狂気を強調するためにわざとらしく微笑んでいたりしましたが、ルフェーブルの「オフィーリア」は恋人のハムレットに「尼寺に行け」と言われ、また、そのハムレットに父親を殺され、悲しみと絶望の果てに正気を失ってしまった少女の心をその一見無表情な瞳に見事に描ききっていて、その美しさとともに、いつまでもずっと見ていたいほど感動しました。

余談ですが、又吉直樹さんの「火花」も友人から誕生日にプレゼントされて読みました。
奇をてらったところや素人騙しの一切無い淡々とした文章に作者の作家としての研鑽と実力を感じました。
随所にハッとするような美しい言葉や文章があって、人物描写が細やかで、作者の人を見る目の優しさに感動しました。
エンディングのあたりが受け入れられるかどうかで評価が別れるでしょうね。


以下、2015年の5月~9月に読んだ作品のリストです。

「風の歌を聴け」
講談社文庫 1979年 ☆

「1973年のピンボール」
講談社文庫 1980年 ☆

「羊をめぐる冒険」 上・下
講談社文庫 1982年 ☆

「螢・納屋を焼く・その他の…」
新潮文庫 1984年 ☆

「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」上・下
新潮文庫 1985年 ☆☆☆

「ランゲルハンス島の午後」
新潮文庫 1986年

「ノルウェーの森」上・下
講談社文庫 1987年 ☆☆

「雨天 炎天 ギリシャ・トルコ辺境紀行」
新潮文庫 1990年

「国境の南、太陽の西」
講談社文庫 1992年 ☆☆

「ねじまき鳥クロニクル」 1・2・3
新潮文庫 1994~5年 ☆☆

「ポートレイト・イン・ジャズ」
新潮文庫 1997年 ☆

「辺境・近境」
新潮文庫 1998年

「スプートニクの恋人」
講談社文庫 1999年 ☆

「もしも僕らのことばがウィスキーであったなら」
新潮文庫 1999年

「神の子どもたちはみな踊る」
新潮文庫 2000年 ☆

「海辺のカフカ」上・下
新潮文庫 2002年 ☆☆☆

「東京奇譚集」
新潮文庫 2005年 ☆☆

「1Q84」 1・2・3・4・5・6
BOOK 1 (前編・後編)
BOOK 2 (前編・後編)
BOOK 3 (前編・後編)
新潮文庫 2009~2010年 ☆☆

「ハムレット」
ウィリアム・シェイクスピア 著 福田恒存 訳
新潮文庫 1967年 ☆☆☆

「ティファニーで朝食を」他3篇
トルーマン・カポーティ 著 村上春樹 訳
新潮文庫 2008年 ☆


「フラニーとズーイ」
J.D.サリンジャー 著 村上春樹 訳
新潮文庫 2014年
(確保・未読)

「ロング・グッドバイ」
レイモンド・チャンドラー 著 村上春樹 訳
早川文庫 2007年
(確保・未読)



「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」

上巻 ¥767,‐ (下巻 ¥680,‐) 新潮文庫




ちょっと読みすぎましたので、ここ2週間ほど読書を休憩しています。

「ロング・グッドバイ」はハードボイルド小説の金字塔とも言える傑作で、村上さん以外の訳で二十代の頃に読みました。

ということで… 次は「フラニーとズーイ」を読む予定です。

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後日

「中国行きのスローボート」
中公文庫 1980年 ☆☆

を、読みましたので、読了した村上作品が30冊ちょうどになりました。


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