「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

村上 春樹 著

文春文庫

730円 + 税

を、読みました。
単行本は2013年4月に発売されましたが、私は基本的に単行本は買わない(本箱がいっぱいで文庫本しか入らない)主義なのと、ほかにも読む本があったりで、2015年には文庫化されていましたが、ようやく読了が今になりました。
ストーリーにはふれられませんので、文庫本の裏表紙と本の帯の紹介文を転載させていただきます。

【裏表紙の紹介文】

多崎つくるは鉄道の駅をつくっている。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。理由も告げられずに。死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時何が起きたのか探り始めるのだった。

【本の帯の紹介文】

自分が見たいものを見るのではなく、見なくてはならないものを見るのよ。

名古屋そしてフィンランドへ、つくるは16年前に閉じた心の蓋を持ち上げる旅に出る。



全米のベストセラーの1位にもなったようです。



私がひとつ、非常に感銘を受けた言葉があります。

「記憶を隠すことはできても、歴史を変えることはできない」

主人公つくるの恋人・沙羅がつくるに過去に起こった事実と正面から向き合うようにと示唆する言葉ですが、一方で、私は逆に

「歴史を変えることはできなくても、記憶を隠すことはできる」

とも思いました。
人それぞれにいろいろな別れがあり、傷つき方もまたそれぞれでしょうが、私たちは人生の中で、忘れたい記憶を心の片隅の小さな引き出しの中に隠して鍵をかけ、二度と目にすることのないようにすることで生きて来られた。そんな場面もあったのではないかと思いました。

ともかく、素晴らしい作品で、村上春樹氏の作品を初めて読むという人にも安心しておすすめできます。



☆ . 。* : ・ ゜ ★ . 。 * : ・ ゜(千羽)